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機械翻訳とは?最新の機械翻訳の性能と影響力

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機械翻訳あるいは自動翻訳という言葉をご存知でしょうか?技術が著しく発展しているこの社会で、一度はその言葉を聞いたことがあるかもしれません。文字通り、翻訳を機械(コンピューター)に任せることで、翻訳作業を自動化することを意味します。それでは、この機械翻訳は、実際にどのようなものでしょうか?この記事では、そんな機械翻訳の実態、最新の機械翻訳の性能と影響力ついてご紹介致します。

機械翻訳の種類

機械翻訳には、大きく3つの種類が存在します。ルールベース機械翻訳(RBMT)統計的機械翻訳(SMT)、およびニューラルネットワーク型機械翻訳(NMT)です。

ルールベース機械翻訳(RBMT)

ルールベース機械翻訳(RBMT)は、コンピューターに言語の文法規則を登録して、自動的に翻訳する手法です。ルールベース機械翻訳(RBMT)のメリットは、登録した文法規則に一致する文章に対して効果を発揮することです。しかし、文法規則は、組み合わせを含めると、膨大な数にまでのぼります。また、英語や日本語といった自然言語は、曖昧性が高く、文法が不完全でも成り立ちます。古くから用いられたこの種類の機械翻訳は、このような課題をカバーすることができず、昨今の著しい技術発展もあり、あまり姿を現さなくなりました。

統計的機械翻訳(SMT)

統計的機械翻訳(SMT)は、原文と訳文を並べた対訳データをコンピューターに登録して、統計処理して、翻訳するというものです。対訳データをコーパスと呼びますが、このコーパスが多いほど、翻訳精度の向上につながります。但し、その結果を得るために必要なコーパスの量は数十万ワードまでのぼります。また、あらゆる分野(金融、特許、法律など)の対訳データをかき集めるのではなく、一つの分野に統一することも、翻訳品質の向上に重要なことです。そのため、実業務に導入するにはハードルが高めという課題があります。しかし、ルールベース機械翻訳(RBMT)と比べて、統計的機械翻訳(SMT)の方が翻訳精度が高いという結果が多く報告されています。そのため、Google社やMicrosoft社といった大手IT企業も含む各ベンダーは、この統計的機械翻訳(SMT)をベースにした機械翻訳サービスを提供しており、2000年代〜2016年頃まで、SMTが主役の時代が続きました。そして、2016年11月に、Google社が新たな種類の機械翻訳を発表したことにより、このSMTが主役の座から降りることになります。

ニューラルネットワーク型機械翻訳(NMT)

ニューラルネットワーク型機械翻訳(NMT)は、人間の脳の仕組みがモデルとなるニューラルネットワークと呼ばれる人工知能技術を活用した機械翻訳です。この人工知能技術により、これまでの2種類の機械翻訳と比べると、まるで人が翻訳したかのような自然な表現の訳文が出力されるようになりました。Google社が2016年11月にこのニューラルネットワーク型機械翻訳(NMT)を発表し、品質の良い翻訳結果を得られるようになったことで、様々な影響が生まれます。

ニューラルネットワーク型機械翻訳(NMT)の影響力

翻訳者の仕事がなくなる?

世間的に、将来翻訳者は不要になる、翻訳者の仕事はなくなる、という見方が強まりました。実際のところはどうか、筆者自身も、翻訳コーディネーターとして様々な案件で試してみたり、複数の翻訳者さんやレビューアさんに評価して頂いたりしました。結果として、現時点では、機械翻訳のみでビジネスレベルの品質基準に達するにはまだまだ課題点があるように思いますが、マニュアル系に対しては比較的に品質の良い訳文を得られているという報告が寄せられました。その場合、人手による翻訳と比べると、生産性が1.2〜2倍近くまで上がっていることも確認しました。つまり、このニューラルネットワーク型機械翻訳(NMT)の効果により、1.2〜2倍近くまで翻訳速度が向上したということです。そのため、完全までいかなくても、専門分野や内容によって、人手の翻訳から機械翻訳に置き換えられる割合が高くなることは確かなように感じられました。

機械翻訳市場の活性化

このニューラルネットワーク型機械翻訳(NMT)の登場により、機械翻訳ビジネスが以前にも増して盛んになりました。機械翻訳の標準的な品質が向上したことで、新たなサービスの創出に注力したり、独自の手法で更なる品質向上や専門分野への最適化を試みる企業・組織が増えています。元々、機械翻訳を活用した翻訳作業に、ポストエディット(Post-edit)という作業が存在します。これは、機械翻訳から得られた訳文をチェックして修正する作業です。只、これまでの機械翻訳は誤訳や不自然な表現が目立ち、多くの場合はポストエディットという名の再翻訳に過ぎませんでした。しかし、ニューラルネットワーク型機械翻訳(NMT)により標準的な品質が向上したことで、再翻訳の必要性が比較的に低くなったため、ポストエディット専門のポストエディターという職業が確立されようとしています。今後、機械翻訳技術が更に進歩すれば、これまで翻訳経験の無い人でも、一定の語学力があれば誰でもその仕事に就くことが可能になるかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?機械翻訳は日々進歩しており、このように翻訳を取り巻く環境に大きな変化が起きようとしています。しかし、翻訳コーディネーターの立場として、翻訳者さんとレビューアさんの協力がまだまだ必要という現実もあります。それは何故か、人手による翻訳と機械翻訳の違いと併せて別の記事でご紹介致します。

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